ずいぶん昔に読んだ7つの習慣 あれはビジネス書だったけど、本当にそうかなと思いながら探すと、やはりビジネス書コーナーで見つかりました でも、実際は人生の指南書というか哲学書の類ですね
読み返したくなったきっかけは、資産には三種類があり、それは、物的資産、金銭的資産、そして、人的資産であると書いているところを、再度読みたく思ったことです
この資産のことは、7つの習慣についての記述の前のパラダイムと原則という章の中で述べていますが、人的資産についての記述を読んでいたら、その次の章に書かれている「7つの習慣」自体について、読み返したくなりました
当時はビジネス書として読みましたが、今回読み進めると、仕事でのコミュニケーションや日々の生活にも通じるまさに人間学としての哲学書だと思いました 特に印象深い章について、自分が感じたことを記してみます
第1の習慣 主体的である
自分の人生において主体的であること 当たり前だろうと思いますが、実はそうでないこともあります
アメリカでの経験
アメリカの責任者で赴任した時のこと あまりのガバナンスの低さと一緒に働いていた現地採用日本人の方の不満を聞き、ではDivision Companyが守るべき職務権限規程についてドラフトを作ってくださいとお願いしました
その方は、「わかりました それは私の仕事ではありませんが、やれと言われるのならやります」と言われたので、「では結構です 自分の仕事ではないけどやれと言われたからやる仕事に主体的な改善は起こらないので、やらなくて結構です」と伝えました
そんなことを言われたことがないのか、きょとんとされていましたが、私の本音でした 文句を言う では文化を変えるために仕組みを変えようと依頼すると、それは私の仕事ではないがやれと言うのならやりますと逃げ口を準備した上でやらされ仕事をしようとする それはフェアでないし、後でお互いに不満を持つことになるので、最初からやらなくて良いと答えました
次にその方は、自分に主体的な管理を望まれるのなら、自分をプロモートしてManagerにしてくださいとアプローチされました 主体性を持ってもらうことは、意外と大変でした
日本での経験
家計の支出が結構高いので、なんでこうなってるの?と聞くと、妻が、だって使っていいって言ったじゃんとの答え それは失礼しました しかし、予定以上に支出が超過してしまう場合はワーニングを出さないといけないでしょと答えると、予定がわからないとのことでした
では、家計の仕訳別の支出計画を作ろうと話し、作ってもらいました 20日過ぎに今月は計画内に収まりそうか?と聞くとわからないとのこと 20日までは抑えてきたが、あと10日あるからわからないと言います。何がわからないの?自分でセーブすればいいでしょ?と聞くと、だって(あなたが)突然使うって言うからと、また他人任せはコメントが出てきました
家計簿はつけるが主体的に管理をしているのではないと、やっと気がつきました これも、やれと言うからやったことのひとつ 私がアメリカ単身赴任中で日本にいない時はどうしてたの?と聞くと節約を心がけてたと言いますが、月の支出をいくらにしようとしていたのかと聞いても、それはその時次第だとのこと 要は、青天井で使っていたということです
誰もが自分の人生は主体的に生きているのだと思っていましたが、実はそうでもないことがあることを知りました
主体的であるのは自分の興味のある範囲であり、責任が伴うことは避けたいという本音があるようです
仕事や家計管理の遂行のためには能力開発を行う必要があること また、管理をすることと、主体的にオーナーシップを持って進めることは別なのだと理解しました
第2の習慣 終わりを思い描くことから始める
マーケティング的には、バックキャスティングということであり、経営的にはVisionを立案し、その中での自分のMissionを組み立てるということだと思います
ゴールを設定し、そのゴールに向かい時間軸を設定しながら、やるべきことを進めるということですが、これも実は簡単ではありません
少子化の影響
2035年くらいから急激に現象が明らかになる少子化による影響ですが、3割の生徒がいなくなる予想ですと言っても、では各大学と各高校の入学定員が3割削減されるのですねと発想する先生が少なくありません
そうではなく、自分の固定費を賄うために少し合格偏差値を下げてでも入学定員数を満たそうとする動きが始まります 上位も中位の学校もこれを進めますが、この「定員確保戦略」をやられると、下位の大学や下位の高校に来る生徒がいなくなり、定員割れに瀕することになります
そうやって、下位の学校は淘汰されることになると言うと、驚いたような顔をする方がおられます
だから、2035年や2040年での生き残りをかけて、今やらねばならないことを進めましょうと話すと、そうなんですね!と言う反応でした
まさか、学校がなくなってもいいと思っておられたとは思いませんが、先々のリスクに備えて今動かねばならないのは、自分でない経営関係者か誰かの仕事と思っておられる方が多いように思います 「主体性」の話とのセットですが、「バックキャスト」は温度を感じてもらうのが難しいテーマであると思います
家計の管理
家計の管理で言えば、月次の計画を立てても、それを達成するかしないかわからないとのことなので、では計画をデイリーにブレークダウンして項目別のお金の支出状況を見てみようと提案しました
デイリーの表は毎日実績として埋まり始めましたが、超過してもそのままでした たぶん、本当にお金に困ったことがないから、「なんでこんな管理をするのかわからない!」と思っているのだと思いましたが、収入が減るシニアライフで青天井に支出していては資金が枯渇することになります
いつ死ぬかわかれば、それに合わせるのにと言うので、そういう感覚はあるのだとわかりました では、支出が計画を超過しそうだったら言ってくれ そうしたら、止めるようにしようと話しました
何回かやっていて月の家計目標を達成することが増えました そうすると、デイリー管理を行うことへのやり甲斐が出てきたみたいです やはり、一緒にやっていくことも大事なのだと思います
第5の習慣 まず理解に徹し、そして理解される
カーネギーの人を動かすでも、「聞く」ことの重要性を述べています 全くその通りであると思いますが、これも意外と難しいのだと思います
アメリカでの経験
アメリカのQAQCマネージャーの退職に伴い新規の採用を進めたときに、VPが候補者への工場案内の説明時に日本人のマネージメントがいかに独善的でフェアでないことが横行しているかを力説したことが明らかになりました
候補者が驚き嫌気がさして、エージェントに当方への転職を止めることにしたと連絡をしたので、発覚しました エージェント担当が困惑して連絡してきたのですが、どうにも収拾できず、諦めざるをえませんでした
VPはそんなことは言っていないとの一点張りで、その候補者に嘘はやめろと連絡をしそうになったので皆で止めました しかし、彼は、候補者の方がどのように聞こえていたのかを知ることができなかったのだと思います
自分が言った言わないではなく、相手にどのように聞こえているかを知ることが上位のマネージメントには必要です 彼にはそれができなかった 他は素晴らしい人でしたが、私の後任のアメリカ現法責任者にする案は諦めざるを得ませんでした
日本の工場運営
日本の工場運営で工程ごとの品質確認ができておらず生産数量が大きくばらつくので、工場に飛び、内容を聞きました
担当のマネージャーは、役員が飛んでくるというので、かなり緊張して待っていたようですが、「何をやってるんだ?!」という叱責のコメントではなく、「何がこうなっている原因なのですか?我々には何が見えていなかったのですか?」という当方のコメントに大変驚かれました
そして、現状の姿を洗いざらい話してくれ、「では、それはどうやって克服できると思いますか」との問いにも積極的に答えてくれました
まず丁寧に聞くこと、それも答えやすい雰囲気を作って聞くことがとても重要だと思います
品質に関することは、最重要のことであり、繰り返し再確認するように要請していたことですから、「何をやってるんだ!」と怒りたい気持ちが先に立ちがちですが、あの時はぐっとこらえて、誠実に聞いたのが良かったと思います
あとがき
7つの習慣は読み返すと、新たな気づきがあります
特に私は、当時ビジネス書として読みましたから、リタイアした後に再度読むと、人間の性のような部分もあり、やはり人生の指南書であり哲学書であると思います
単に生き方のノウハウではなく、人生に品格を持つことにつながるような記述が多くあります
英語版の初版本は1989年で日本での翻訳は1996年とのこと 初版本から37年、日本語版からでも30年が経っていますが、内容は本当に色褪せません
前に読んだ「7つの習慣」はどこかに置いてきてしまいましたが、今回求めた本は、ずっと持っていて、数年したらまた読み返そうと思います!

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