45年の仕事人生(番外編 2020- グローバル最適への取り組み)

Uncategorized

2020年に帰国し、メディカル事業部門の責任者となったとき、最初に考えたのは、VisionとMissionでした 今後起きる国内の少子化等の環境変化を考えれば海外の販路強化が急務であったし、自分がそのためにできること、次代にバトンを渡す上でやるべきことを考えました

アメリカの全体最適は、California/ Iowa/ Maineの各工場がまとまってきていましたが、製造工程の統合は一朝一夕にできるものではなく、時間をかけて進めねばならないテーマでした

しかし、8割以上のところは達成できていましたので、グループ内のコラボをグローバルに展開し競争優位を確立させることが大事であると考えました

営業活動のグローバル最適

2011年のAACCアトランタでの日本の海外営業部とアメリカの営業との会議では外部通訳が必要でしたが、10余年を経て、日米のグローバル会議だけにとどまらず、シアトルのK社も加わってグループのシナジー効果の最大化を狙うまでになりました

国際展示会でのブースの統一

これまでの国際展示会では、抗血清のビジネスを行うアメリカ現法のブース日本のN社が出展するブース、自社販売網拡充のために設置していたK社ブース3ブースが混在していました それぞれが小さい規模のブースで、活動もバラバラでした

これを一つの大きいサイズのブースに統合させ、トーンアンドマナーも統一し、運営を行うことに成功しました

初年度は、アメリカのブースの一部に日本の試薬コーナーを設けましたが、次年度では統合ブースを両方で設計し共同運営することが実現し、その翌年には、K社のブースも統合し、N社グループとして統一したマネージメントが行えるようになりました

今後は、日本やアメリカが開発した試薬や抗血清の新たな販売方法として顧客にOne Stop Shoppingを訴求することになると思われます 

原料から最終製品までの全てを日米のグループでカバーするN社は、顧客が望む形での製品提供ができるという強みを持ちます これを具体的に訴求するのがMake Senseすると思われます

自動分析器メーカーへの統合アプローチ

東京の海外営業とK社でグループ内の一気通貫利益管理が進んでいますので、自動分析器メーカーへのアプローチが積極的に行えるようになってきました

お互いにカードを隠しながらポジショナルバーゲニングを行うのではなく、カードをテーブルに広げてお互いの利益状況を可視化した上で、オープンに利益最適を相談する間柄に変わりました

一気通貫のP/Lを携えて、一緒に大手の自動分析器メーカーにアプローチすることが可能になりました それぞれが個別にアプローチするのではなく、相手がN社製品を買わねばならない理由をグループとして提示することができるように変わりました

自動分析器のメーカーは、仕入れる原料や製品のコストが重要な判定材料ですが、安定供給ができるか、品質管理が徹底されているかは、さらに重要なポイントになります 垂直統合されたN社のビジネスモデルは大変説得力のあるものと評価されるようになりました

抗原開発のグローバル最適

開発体制もグローバル最適が意識されるように変わりました

抗原開発の利益計算

これまでは抗原開発の利益への貢献は試薬の売上と利益だけを基準に判定/評価されてきましたが、これに抗血清の売上と利益を加えて評価するやり方に変化しました

連結ベースで考えれば、試薬ビジネスから上がる利益よりも原料ビジネスの利益が大きいことも少なくなく、グループへの貢献という観点では、両方を足して考えるのが妥当であると思われます

考えてみれば、試薬製造はいわばアッセンブリー工程 付加価値を乗せにくくレッドオーシャンになりがちなビジネス その前の原料製造工程に利益が集約されることは他の産業でも明らかです

海外の大学研究室とのコラボ

国内での斬新な抗原開発方法をアメリカの大学の研究室にお披露目し、大いに教授の関心を引きました 

一方、抗原の動物への免疫による抗体作成過程のコンバージョンレート改善は大きな経営改善テーマであり、議論のポイントでもあります N社グループと大学とのコラボに期待したいと思います

品質管理のグローバル最適

グループ間の品質管理についても見直しが必要になります

Outgoing Inspectionと Incoming Inspection

抗血清製造を完了して日本向けを送付する前には当然、Outgoing Inspectionを行いGo/No goの判定を行ったのちに空輸します

荷物を受け取った日本側は、工程に投入する前にIncoming Inspectionを行い、品質とスペックが基準内になっているかを確認します

これが日米でバラバラに行われていましたが、少なくともデータの共有は必要であるし、将来的には、OutgoingかIncomingかのどちらか一つのInspectionで足りると思われます

ただ、以前は日米で測定する分析器がバラバラでデータを共有することが無意味な状態にありました また分析器機種を合わせても、分析器メーカーでは同じ機種でも日米でのセッティングが異なるなど、基準を合わせようとすると少なからず障害がありました

これらを克服して、グループ内の品質管理をスリムにしてコストを強くする必要があります 簡単ではありませんが、克服してくれると信じています

品質保証人員の駐在

アメリカの抗血清の製造や品質保証を人任せにすることに終止符を打つために、駐在員を送って日本側の知見を深める必要があると思われます

昔は生産ラインを日本人が見学することさえ拒否されていましたが、今は気持ちの統一はできていますので、品質管理マンの駐在を検討する時期にきているように思います

グローバル最適とは多様性を認め合うことから始まる

グローバル最適とは、誰かの都合を一方的に押し付けるマネージメントではありません グループ内の各拠点での法律や制度を遵守し、異なる文化や働く方々の人格を尊重し、多様性を認め合うことが重要です

海外のビジネスに24年携わりましたが、やはり経営の基本は人であり、人的資源の活用が最も重要なテーマであると思います

N社の新しいスキームがさらに強固に根付いていくことを願っています

あとがき

自分が帰国後に行ったことや、今後行ってほしいと思うことを番外編として書いてみました

グローバルオペレーションとは少しカッコいい響きがありますが、実際は泥臭い現場があり、喧々諤々の議論があって実行されるものです

我々は昭和の駐在員でありアナログのオペレーションでした 古臭いアナログです

しかし、人間自体はどこまでもアナログですから、一歩一歩改善していくことになります ある朝、目が覚めたら中国語がペラペラになってたということは起きませんから少しずつ学ぶしかないように、異なる各地をつなぐグローバル経営も丁寧に学んでいくことが前提になります

そして、学んでいく過程に価値がある一方で、経営としては、目標を設定してそれを達成するバックキャストしたロードマップが必要になります このロードマッププランをベースに上手に皆さんを牽引できたら良いのですが、いろんなことが起こるのが海外のオペレーションです

難儀なことが多いのですが、それを楽しむことも大事だと思います

コメント

タイトルとURLをコピーしました