韓国の少子化、日本の少子化

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韓国の少子化は大きな社会問題になっていますが、日本の少子化が韓国と少し違うのは、「出生数減少のスピード」です 韓国は崖から飛び降りるようなスピード(出生率0.7)で急激に人口が減ったため、社会が一気にパニックになりました 対する日本(出生率1.2台)はじわじわと、しかし確実に全土が縮小しています

そのため日本の少子化は危機感が共有されにくく、茹でガエルの如く、気づいた時には手遅れになっているという、タチの悪い進み方をしています。

実際、今後「15年で18歳人口が3割減る」という2040年問題は、日本の教育、経済、そして私たちの日常生活のインフラを根本から変えてしまう、避けては通れない未来です

韓国の少子化問題

小児科の消滅と「オープンラン」

子供の数が減りすぎたことで、医療現場が最初に悲鳴を上げています

小児科クリニックの閉院: 受診する子供が少なすぎて経営が成り立たず、小児科を閉めて大人向けの美容皮膚科などに転向する医師が急増しています

小児科の「オープンラン」: 朝、小児科が病院を開ける前(オープン)に、親たちが診察券を求めて大行列(ラン)を作る現象が社会問題化しています 数時間待ちは当たり前で、熱を出した我が子をすぐに診てもらえる病院が見つからない「医療難民」が発生しています

小学校の廃校

約10,000校あった小学校(日本は現在19,600校)のうち、3,670校が廃校になり、現在残っているのは、6,280校です

そのうち全校生徒(1年生〜6年生の合計)が60人以下という「超ミニ小学校」が、全国で1,732校(全体の27.6%)に達しており、地方に限ると、地域の小学校の半分以上がすでにこの規模になっています

韓国では、小学1年生(新入生)の総数自体が目を疑うスピードで減っています

  • 2023年: 約 40万人
  • 2026年現在: 約 29.8万人(日本は89.7万人)

わずか3年間で、全国の小学1年生の数が約26%も減少しています このペースは韓国政府の事前の予測を遥かに上回るスピードとのこと 3年の間に1/4の新入生がいなくなる韓国 とてつもないレベルです

大学の消滅

韓国の大学淘汰は、偏差値というよりも「ソウル(首都圏)にあるかないか」が最大の境界線になっています

韓国ではソウル圏の大学に進学することを「イン・ソウル」と呼び、これが人生の最低防衛ラインとされています そのため、以下のような順序で危機が訪れています

第1フェーズ:地方の私立大学(偏差値に関わらず壊滅) 一番最初に潰れているのは、地方の底辺私立大学です しかし現在では、かつて地方で中堅クラスだった私立大学も、偏差値に関係なく新入生が5〜6割しか集まらずに閉校危機に瀕しています

第2フェーズ:地方の「国立」大学(名門校の地盤沈下) 韓国には各地域を代表する「拠点国立大学(日本の旧帝国大学や主要国立大に近い位置づけ)」があり、本来は偏差値も非常に高い名門です。しかし、地方の衰退があまりに激しいため、「地方の名門国立大を蹴って、ソウルの下位ランクの私立大に行く」という受験生が続出しています 結果、地方名門国立大でも定員割れや合格ライン(偏差値)の急降下が起きています

最終フェーズ:ソウル市内の下位大学(現在ここが持ちこたえ中) 偏差値としては最も低い部類に入るソウル市内の私立大学ですが、現状は「ソウルにある」というブランドだけで、地方の優良大学から学生を吸い上げて生き残っています

つまり、大学は「地方の底辺」→「地方の中堅・名門」→「ソウルの底辺」という順番で追い詰められています

高校の消滅

高校の場合、「偏差値の高低」よりも、学校の「種類(学科)」と「エリアの地価・家賃」が閉校の引き金になっています

① 職業高校(工業・商業など)が真っ先に消滅 韓国の強烈な学歴社会では、「高校を出てすぐ働く」ための職業高校は、偏差値や人気の面で最も不利です そのため、都市部・地方問わず、志願者がゼロに近くなり、一般の普通科高校に吸収される形で真っ先に潰れています

② 「家賃が高すぎる地域」の普通科高校が消滅 これが韓国特有の現象です 首都ソウル市内であっても、「住宅価格や家賃が高騰しすぎたエリア」からは、若い子育て世代が家を追われて郊外へ引っ越してしまいます その結果、ソウルの一等地にある一般の高校が、周辺に子供がいなくなって新入生を募集できなくなり、閉校に追い込まれるケースが近年相次いでいます

日本の少子化問題

大学の「東京一極集中」と地方国立大の地盤沈下

韓国で起きた「地方なら名門大でも定員割れし、ソウルの底辺校が生き残る」という現象は、日本でも全く同じ構図が始まっています

私立大の半分以上が定員割れ: 日本の私立大学の約53%は、すでに定員割れの状態です(2024〜2025年現在)。今や東京の有名私大も「系列の高校からの内部進学」や「推薦入試」で早々に生徒を囲い込んでおり、一般入試の枠はどんどん狭まっています

地方国立大学の危機: 日本でも「地方の国立大に行くより、東京の私立大(MARCHなど)に行きたい」という若者の都市部志向が年々強まっています すでに地方の国立大学でも、文系学部や教育学部を中心に二次募集(追加募集)を行うケースが出始めており、共通テストの志願者が3,000人を切る県も珍しくなくなってきました

高校の「公立・私立の同時崩壊」と廃校跡地問題

高校の消滅についても、日本は韓国の後を追っています

公立高校の募集停止: 地方ではすでに、各県トップクラスの伝統ある公立高校(旧制中学が前身の進学校など)ですら、少子化によって近隣の高校と合併・統廃合され、名前が消えるケースが相次いでいます

鶴岡南高校(山形県)⇒ 2024年「致道館」、 伊那北高校(長野県)⇒ 2028年「伊那」へ、 盛岡第三高校(岩手県)⇒ 2029年「盛岡みらい」へ、 姫路西高校・姫路東高校(兵庫県)⇒ 統合検討中

私立高校の「詰み」状態: 日本の私立高校も、生徒が集まらなければ即・経営破綻に直結します。韓国ほど極端ではありませんが、日本でも学校法人が解散する際の財産処分には厳しい法規制があり、簡単には撤退できません。結果として、民間の買い手がつかないまま放置される「廃校跡地」の増加は、日本の地方自治体でも大きな課題になっています

日本特有の「インフラ・物流のサイレント崩壊」

韓国は「医療や国防(軍隊)」にすぐ影響が出ましたが、日本の場合、人口減少が「生活インフラや物流」を直撃します

インフラが維持できない: 18歳人口が3割減るということは、数年後に社会に出る「新社会人」が3割減るということです ただでさえ今、建設業、バスや電車の運転手、物流のトラックドライバー、水道のメンテナンス技術者が足りていません これからの15年で、地方を中心に「公共交通機関の廃止」「水道代の爆発的な高騰」「宅配便が翌日に届かない」といった事態が現実になります

あとがき

韓国は世界一少子化が進み社会問題化している国ですが、日本との共通点があるだろうと思い調べてみました

結果としては、共通点があるだろうというレベルではなく、日本の将来が今の韓国かもしれないという強烈な危機感を持ちました 教育やインフラが維持できなくなる社会 誰も見たくない不都合な現実ですが、このことは直視して少しでも回避/改善するべきであろうと思います

昔アメリカ人に、リーダーの心構えは、「See It, Own It, and Do Itだ その中で最も重要なものは、Own Itだ」と言われたことがありますが、その言葉を思い出しました 不都合な予想でも、我がこととして受け止め主体的に考えることが重要です

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