AIの実力評価は、自分の経験との答え合わせがわかりやすい?

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AIの実力を図るには、実際に自分が経験をしたことをサンプルとして相談し、それへの回答を評価するのが最も納得できるのではないかと考えました 客観的な視点での回答やAI案の実効性、難易度等を見てみたいと思いましたし、実際に自分がやったこととの差異についても参考にしたいと思いました

AIへの質問

自分が経験した内容を質問してみました

米国子会社の責任者として赴任することになりました

米国子会社の経営状況は良好ですが。現地人トップが日本人社長を無視して自分たちだけで種々の決定を進めている実態があります とはいえ、現地人にしか、ものづくりのノウハウがなく、いきなりクビにしては生産が止まってしまう恐れがあります 今後ガバナンスの強化を進めるとして、まずはどのような施策を行えばよいでしょうか アドバイスをもらえるとたすかります

AIの回答

米国子会社の責任者へのご赴任、おめでとうございます。非常に重要、かつ難易度の高いミッションですね。

「業績は悪くないが、ブラックボックス化しており統制が効かない」「現地トップに依存しており、強硬手段に出るとビジネスが止まる」という状況は、海外子会社管理において最も頻発する、そして最も慎重を期すべき典型的な課題です。

ここでの最優先ゴールは、「彼らを敵に回して現場を混乱させることなく、経営の主導権(情報と決定権)を本社側に取り戻すこと」です。急進的な改革はサボタージュや離職を招くため、まずは「仕組みによる外堀埋め」から着手することをおすすめします。

具体的には、以下の3つのステップ(初期政策)から進めるのが効果的です。

1. 職務権限規程(DOA)の改定と「金額・重要度」による縛り
「勝手に決めるな」と口頭で注意しても、彼らは「今までこれで上手くいっていた」と反発します。感情論にせず、ルール(制度)として決定権を制限します。

意思決定ラインの再定義:
すべての決定を奪うのではなく、「〇〇万ドル以上の投資」「新規ベンダーの採用」「管理職層の採用・昇給」など、特定の重要事項には「日本人責任者(あなた)の承認(Sign-off)を必須とする」という明確な職務権限規程(Authority Matrix)を作成・改定します。

大義名分:
「本社の上場維持・ガバナンス強化の方針」「グローバルでのコンプライアンス基準の統一」など、本社のルール変更を理由にすることで、現地トップ個人への攻撃ではない形をとります。

2. 「ブラックボックス」を解体する仕組みづくり(情報の見える化)
ものづくりのノウハウが彼らだけに依存している状態が最大の経営リスクです。彼らをクビにするためではなく、「持続可能な経営のため」という名目で、情報の引き出しを始めます。

プロセスの標準化と文書化(SOPの策定):
「属人的な運用は、彼らが倒れた時やリタイアした時に会社が潰れるリスクがある。彼らの素晴らしいノウハウを会社の資産として残したい」と持ち上げ、製造工程や判断基準のドキュメント化(マニュアル化)を業務命令として指示します。

KPIによる定期報告の義務化:
週次・月次の経営会議(Steering Committee等)を公式にセットし、感覚ではなく「データ(生産効率、歩留まり、労務コスト、在庫回転率など)」での報告を義務付けます。数字を握ることで、彼らが嘘をつけない環境を作ります。

3. シャドーイングと「右腕(後継者)」の育成
現地トップに万が一のことがあっても生産が止まらないよう、バックアップ体制を極秘かつ迅速に構築します。

現地人次世代リーダーの引き込み:
現地トップの「すぐ下」にいる優秀なローカルスタッフ(No.2やNo.3)に目を光らせてください。トップの独断専行に不満を持っているメンバーや、もっと出世したい野心のあるメンバーを味方につけ、彼らとのダイレクトなコミュニケーションラインを確立します。

日本人技術者の派遣(必要に応じて):
もし可能であれば、「技術交流」「次世代生産システムの検討」などの名目で、本社から優秀な技術者を「サポート」として現場に送り込み、実際のノウハウを横で盗ませる(シャドーイング)ことも検討してください。

💡

赴任初期の振る舞いとして重要なこと
着任して最初の1〜2ヶ月は、「まずは徹底的に話を聞く(Listen & Learn)」スタンスを崩さないことを強くお勧めします。

最初から「ガバナンスを変えに来た」というオーラを出すと、現地チームは防衛本能からさらに情報を隠蔽します。まずは「業績が良いことへの敬意」を最大限に払い、彼らの言い分や苦労をヒアリングした上で、「彼らのビジネスをさらに大きく、やりやすくするために、本社とのパイプ役として仕組みを整える」というストーリーでアプローチしていくのが、結果として最も早くガバナンスを掌握する近道となります。

タフな交渉や調整が続くと思いますが、現地に深く入り込みつつ、客観的な視点を保って進めていってください。応援しております。

AI案の評価

なかなかのレスポンスだし、内容であると思います 自分がやったことに近くて、少なからず驚きました ただ、対応の丁寧さは足りていないように思う部分もあります

職務権限規定の前に子会社稟議規定を入れる必要がある

いきなり職務権限規定の見直しを行うとネガティブになってしまうので、まずは、子会社稟議規定をきちんと導入するところから始めました その中で、子会社が本社に報告するべき内容や、本社や執行会議での承認をもらうべき内容をクリアにすることが大事です

しかし、AIが「職務権限規定のReview」と言ってきたことは驚きました 当時はまさに無法状態 当時の会社(日本も米国も)にはノウハウがなく、当方が現地で職務権限規定をReviewすることにより権限と責任を明確にして、現地人トップを牽制しました

AIの回答は100点ではありませんが、かなり的を射ていると思います

情報の見える化

AIが言っていることは正論ですが、具体性が足りていません 何を作らせて見るのか このケースではそこの具体的なアドバイスが必要です

当方が強調したのは、予算管理とPDCAです 予算をどのように作ったのか?それに対して実際の進捗度はどうなのか?出来ていないのは何が原因なのか?

また、予算とは別に、実際の生産見込みと販売見込みはどのように回っているのか?在庫は誰が管理しているのか?

短いアドバイスでは具体的なところまで言及するのは無理だと思われますが、実際は、そこがとても大事ですし、そのPDCAや目標管理と評価制度/給与体系がリンクされねばなりません

実際、この「情報の見える化」はとても手こずりました 仕組みを作って情報を吸い上げるようにしましたが、簡単ではありませんでした

シャドーイングと現地人右腕の育成

AIの言ってることはもっともですが、前任の日本人社長はほぼ諦めておられましたので、現地人トップが現場を仕切っており、それがある種一糸乱れぬ無法行為となっていました

現地人右腕の育成を着手できたのは、実質的には3−4年後でした 状況の深刻さや、現地人トップのカリスマ性の強弱でこの時期はズレると思われますが、簡単ではありませんし、失敗したらサポートを完全に失う結果になりかねませんので慎重に行いました

全体的には具体性や実効性への繋ぎが必要であると思いましたが、やるべきことやそのポイントについての記述はとても正しいと思いました しかし、実際のマネージメントの難しさはこんなものではなく、AIが予想外の高いレベルの回答をしてくれたので、さらに質問を重ねてみました

AIへのFurther質問

実際にはDivision Companyである西海岸A社と中西部B社の子会社の統合もミッションになっています ところがこの2社は生い立ちが同根であるのに仲が悪く、同じような製品を作っているので市場での戦いも客のお取り合いになっており非常に厄介です 統合しようにもどちらかに統合したら他方は集団離脱が起きかねない状況です

これまで腰の引けたマネージメントしか行っていないため、日本人は現場のことを全く把握できていません 本社からは統合効果の発現を急げと言われていますが大変難しい状況です

追加のアドバイスを求めます

AIからのFurther回答

状況の複雑さと深刻さがより鮮明になりましたね。単なる「1拠点のガバナンス」ではなく、「対立する2つの拠点の統合(PMI)」であり、しかも「現場を人質に取られている(集団離脱のリスク)」という、海外事業再生において最も難易度の高い局面です。

本社からの「急げ」というプレッシャーと、現場の「一歩間違えれば崩壊する」というリスクの板挟みになり、非常に胃の痛い状況とお察しします。

この状況での鉄則は、「拙速に『どちらかを主、どちらかを従』にする統合をしないこと」です。現場を把握していない段階で力技で統合しようとすれば、間違いなくどちらか(あるいは両方)のキーマンが顧客とノウハウを持って離脱し、本社が期待する「統合効果」どころか、大損失を被ります。

本社への言い訳(マイルストーン)を作りつつ、現場の爆発を防ぐために、まずは以下のステップで「ソフトランディング(軟着陸)に向けた外堀埋め」から着手することをお勧めします。

短期施策:まずは「不毛な内戦」を止める(着任1〜3ヶ月)
どちらかに吸収統合するという話を進める前に、まずは両社が顧客を奪い合ってグループ全体の利益を損ねている「実害」を止める必要があります。

1. 「マーケットの棲み分け(Territory Alignment)」の強制合意
統合の第一歩として、組織ではなく「市場・顧客」の交通整理から始めます。

やり方: 「グループ全体の利益最大化」を大義名分に、A州拠点とB州拠点のトップを同じテーブルにつかせ、顧客の奪い合いを禁止するルール(アカウントの割り当て、または地域・業種でのテリトリー分け)を敷きます。

効果: これだけでも「お互いのパイを奪い合う」という敵対関係の根拠が薄れ、本社の実害(値引き合戦など)を即座に止めることができます。

2. 「共同検討チーム(Joint Task Force)」の立ち上げ
「どちらかがどちらかを評価・統合する」形にするとプライドが激突します。本社の「統合を進めろ」という要求へのポーズも含め、両社のミドル層(実務リーダー)を巻き込んだ共同チームを作ります。

名目: 統合ではなく、「両社の強みを活かした次世代製品の開発」や「資材の共同購買によるコスト削減」など、お互いにメリットがある部分的な協業をテーマにします。

目的: 本質的な目的は、日本人が現場のキーマン(誰が本当にノウハウを持っていて、誰が人望があるのか)を見極めること、そして両社の社員に「一緒に働く」ことに慣れさせることです。

中期施策:「集団離脱」を防ぐための人質(情報)の確保
現地のノウハウを日本人が把握していないことが最大の弱みです。統合のファイナルプランを決める前に、徹底的に情報を吸い上げます。

3. 「見える化」を口実にしたデューデリジェンス(資産・ノウハウの棚卸し)
「統合効果を検証するため、本社の監査・技術評価を入れる」として、両社の製造プロセス、顧客リスト、契約書、技術ノウハウのドキュメント化を徹底的に進めさせます。

これらを「会社の公式な資産(IP)」として確定させることで、「仮に彼らが辞めても、データとマニュアルは会社に残る」状態を数ヶ月かけて作ります。これが最大の離脱抑止力(リプレイス可能性)になります。

4. キーマンの個別囲い込み(リテンション・プラン)
集団離脱が起きる時、実は「全員が辞めたい」わけではありません。声の大きいトップ数人が煽り、一般社員は不安だから付いていくだけです。

共同チームでの活動を通じて、両社の「優秀だがトップの独裁に冷めているミドル層」や「キーになる技術者」を特定し、あなた自身が個別にリレーションを作ります。

「組織が変わっても、あなたのポジションと待遇は保証する(むしろ上がる)」という個別のリテンション・プラン(留任手当やインセンティブの提示)を裏で握っておくことで、トップが「俺たちが辞めたら生産が止まるぞ」と脅してきた際のレバレッジ(交渉力)を奪います。

最終的な統合の着地点(イメージ)
現場が落ち着き、情報が取れた段階で目指すべきは、「A社がB社を飲み込む」ような片方への統合ではなく、「持株会社(Holding)の下での機能別再編」や「共同ブランド化」といった、両者のプライドを折らない形が現実的です。

例えば、

「A拠点は最先端の開発と西海岸の営業拠点」

「B拠点は量産に特化したマザー工場」
というように、同じ製品の奪い合いから、役割分担(バリューチェーンの分業)へとシフトさせ、トップにはそれぞれの拠点の「共同CEO」や「機能別役員」の椅子を用意する、といった「大人の解決策」を探ります。

💡

本社へのレポート戦略
本社に対しては、「今すぐ統合すると数百万ドルの売上と顧客を失うリスクがある」という実態を定量的(数字)に報告し、「第1フェーズ:内戦の停止と顧客の棲み分け(今ここ)」「第2フェーズ:業務プロセスの共通化」「第3フェーズ:組織統合」という、時間軸を持ったロードマップを提示して、時間を稼ぎつつ主導権を握ってください。

まずは「彼らの喧嘩の仲裁」という大義名分で、双方から数字と顧客のデータを提出させることから始めてみてはいかがでしょうか。非常にタフな任務ですが、これが成功すれば社内での評価は決定的なものになります。体調に気をつけて進めてください。

Further評価

難易度が上がったテーマにもAIは付いてきます 実は現地のコンサルにもアドバイスを求めたことがありますが、当時の米国人のコンサルも日本人のコンサルも現在のAIが出してきたアドバイスに及んでいなかったと記憶します 大金を払って聞いたアドバイスは実は役に立たないものでした

マーケットの棲み分け

この議論をすると、「ではA社+B社の全体の売り上げが減ってもいいのですね?」と聞かれました 実際、重複している部分を切り分けるのですから、売り上げが減ることになってもやむを得ないことになります

しかし、売り上げが減るということは利益が減ること 最悪の場合は赤字転落も起こり得ましたので、慎重に進めました

顧客別商品別の販売実績を全て提出させ、重複箇所を確認しました そうしたら、現地人が大袈裟に「売り上げが減ってもいいのですね?!」と言ってた内容が、日本の親会社向け以外は、同顧客向けであっても製品は重複していないことが判明しました

ある意味、顧客が身内の不仲を値引きの材料にしていた部分があり、とても落胆しました その事実を現地人と共有し、こういう無意味な値引き合戦を再発させないために、営業統合を行うことを提案しました

共同タスクフォースの設置

ガバナンスが全くできていませんでしたから、上意下達的にリスエストをしても効果はありません それよりも、プロジェクトを組み、両方の拠点からメンバーを出してもらい共通の目標に向けて活動することをお願いしました

プロジェクトには、人事評価制度の統合、合同社内報の発行、品質保証プロセスの統合、製造プロセス管理の統合、品番の統合、管理ソフトの統合、オーダープロセスの統合、PSIの統合、勘定科目の統合等々があり、全ての分野に及びました

途方も無いプロジェクトでしたが、皆が真剣に議論して新しいものを作っていくのはとてもありがたいことでした しかし、この活動中でもA社の現地人トップと人事担当はA社>B社だから、A社の制度にB社が従えばいいのだと依然陰口を叩いている状態でした

大変苦労しましたが、A社の人事担当マネージャーには、3年かけていかにその考えや相手を見下す行為が間違っているかを説明しました 当方には「真綿で締め殺すようなことはしないでひと思いに(レイオフを)やってくれ」的なことを言うので、そうではなくA社/B社の統合による新しい秩序を一緒に構築してほしいと迫りました

しかし、結果的に彼は自ら手を挙げて会社を去りました

デューデリ

製造ブラックボックスの回収は容易ではありません とはいえ、IPのまとめは必要でしたから、プロジェクトを組んで数年かけて取り組みました

キーマンの囲い込み

活動を通して、当方への信頼度が増し、結果的に、キーマンの囲い込みは成功しました しかし、これの成就には5年以上の年月を費やし、やはり放置していたことでの無法化の大きな責任は現地側というより日本側にあると思いました

ともあれ、現地人のキーマンを設定し、この人間を中心に新しい経営体制を作ってもらいました 

そしてA社とB社の統合は、AとBのブランドは残しながら、1カンパニー2ブランド体制を標榜し、A社側では、経営企画、経理、MIS、品質保証、営業、総務を、B社側では製造、生産技術、人事、R&Dと、それぞれが主導する管轄エリアを設けて、対等な関係づくりに腐心しました

こうやって従業員各位のモチベーションを維持してもらい、集団離脱のようなことが起きないような仕組みづくりを構築しました

総合評価

AI案の内容は、かなり良いと思います 少なくとも、当時の東京のサポートやコンサルの助言などよりはるかに筋が通っておりわかりやすく、また、多角度からの提案がありました

相当な量の論文情報や現場情報の蓄積があり、それをベースにアドバイスをしていると思われますが、ポイントを突いているところは少なからず驚きました

ただ、「なぜできていないのか」の紐解きと共有はやはりAI的なアプローチでは難しいのかと思いました いわゆる寄り添うアプローチですが、これは血の通ったマネージメントでないとできない技です

あとがき

AIの実力を図るには、実際に自分が経験をしたことをサンプルとして相談し、それへの回答を評価するのが早いのではないかと考えたのは、正しかったようです

思いがけず、実力が高く、当方が「第2の質問」を投げるに及びました 

この米国子会社2社の統合の経験は自分のビジネスライフでも最も困難なものの一つでしたが、AIがその難易度の高さや苦労の度合いを知っているのはちょっと驚きました また、「これが成功すれば社内での評価は決定的なものになります」というコメントがありますが、結果的にそういうことが起きました

単身赴任をしながら苦労して進めた米国現地法人の再生と、当時唱えたポリシーの1カンパニー2ブランド体制は、7年後に米国の同業者買収を行う基礎となり、その後はその業界において圧倒的な世界シェアを持つに至りました 

採用活動等、対外的にもグローバル活動の強化をうたうことが可能になり、米国拠点間の統合効果発現の結果を高く評価されました 

ただ、統合効果発現のためには、たくさんの犠牲を強いたことも事実 壊した個別最適の仕組みの多くが、もともと本社の意向がはっきりしていなかったから自衛的に構築されたものでした 

日本人の経営者が頼りなく判断をしない やむを得ず現地人が独断で進めていたため、結果的に悪となりましたが、米国現法が無法化していた原因の源は自分たちにあるという理解はきちんと持つべきであると考えます 

ともあれ、AI案の評価をしながら当時のことを振り返り、大変な時間を過ごしたことを思い出しました!

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