海外暮らしの戸惑い(アメリカ編Vol.1)

アメリカ

24年の海外生活中、20年がアメリカでの暮らしです いろんな戸惑いや気づきがありました

出張に行くときのLimo

ストレッチリムジンでのおでかけ

前任の米国現法社長が出張に行く時はこのリムジンを使っておられたというので、当面は引き継ぐことになりました ただ、いくらアメリカだからといっても1人か2人で出張に行くのにこれで空港まで行ってもらうのはなかなか気が引けますし、コスト面でもやりすぎ感がありました

2012年12月にJALのサンディエゴ太平洋路線が就航したのでLAXに行かなくて良くなり、したがって、自分で車を運転して、サンディエゴ空港近くの民営駐車場に駐めるように変えました 

しかし、自宅に来てもらいこのストレッチリムジンでLAX空港に行ってたのは、いい思い出です 普通はなかなかできませんからね!

スーパーマーケットで

レジ係の自由さ

毎週行ってたオーガニック系の商品が多いSprouts、とてもお世話になりました 

あるとき、買った商品をレジで払おうとするとスープバーで紙のカップに入れたチキンヌードルスープが会計されていないのに気づき、「これチャージされてないよ」と言うと、「え、それはあなたが持ってきたコーヒーでしょ」と言います 

コーヒーをベルトコンベアに乗せるわけないでしょと思いましたが、多くのアメリカ人がそうしてるのを見てたので余計なことを言わず、いやスープだから勘定に入れてとお願いしました

そうしたら、「いや、今日はいいわ!と笑ってウインクします 朝、こういうことがあると、ちょっと嬉しくなったりしましたが、アメリカのおおらかさというかいい加減さというか、好きなところです

レジ担当の従業員にある裁量が任されているのも、背景にあるかもしれませんね 少額であれば、自分で決めていいみたいなルールがフレキシビリティを上げているように思います

お客も自由

レジの従業員に裁量があるからか、お客も割と自由です Sproutsではあまり見かけませんでしたが、Wで始まるスーパーでは、レジに並んでいる間に袋を開けて、ポテトチップスを食べてる人が大勢います 

最初は、えっ!と二度見してしまいましたが、どうせ払うんだからという理屈らしく、これもアメリカらしいところかもしれませんね クッキーを食べてる人とかもいて、それはやり過ぎのように思いますが、まあ、そういうことを気にしない人たちですね

レジではよく話かけられました

日系スーパーで酒粕を買ってたら、アジア系のレジ担当おばさんに「これどうやって食べるの?味噌スープに入れるのか?」と聞かれたので、味噌や酒と混ぜて白身魚に塗り、半日置いて、その後焼いて食べるんだ!」と言うと、「え、メモするからちょっと待って」みたいに言われて、こちらが焦りました 後ろの人が待っているのに。。。 

本当に自由な国なので、なんでもありですよね!

ハンバーガーショップで

裏メニュー

写真は、みんな大好き西海岸のIn-N-Outのバーガーですが、バンズをレタスに変えたProtein Style Burgerという裏メニューを頼むことができます

In-N-Outは、Friesを冷凍していないじゃがいもで作る等、味やヘルシーさを強調しているブランドですが、レタス包のバーガーは最初驚きました 味は、フツーに美味しいです

クーポン券

バーガーショップ🍔の出口で食べ終わった人とすれ違いざまに、「あなた、今週のクーポン持ってる?」と聞かれることがあります あ、ないですと答えると、じゃあこれあげるわと老婦人がドリンク半額やポテト半額のクーポン券をくれたりします

なんでそんなことするのかな?と思いますが、「他人に親切にしなさい」という教育があるし、宗教上、それが美徳であると勧めているように思います 突然話かけられると驚きますが、もらうとその価値以上に嬉しくなったりしますから、ありがたい習慣ですよね

高速道路の事故

「他人に親切にする」というのは、結構、徹底的です 高速道路の反対側の車線で事故が起きたとき、路肩に車を停めて、中央分離帯を乗り越えて助けに行ったりしますから、命懸けでやる親切だとも言えます

ハンバーガーのクーポン券をくれるというのと、高速道路の反対側車線の事故を助けにいくというのは一見違うことですが、アメリカ人の中では、同じ理念や信条があるように思います

いろいろ言われる国ですが、アメリカ人のこういうところは大好きだし、凄いなあと感心します!

空き巣強盗事件

惨状

赴任中に空き巣に入られたことがあります 内容は、空き巣というより強盗に近いのですが、格子状に鉄の枠が入った二重窓を叩き割り、穴をこじ開けて中に侵入した後、あらゆるものを床に落として、金目のものを盗むという行為でした

閑静な住宅地ではあり得ない惨状でしたが、帰宅して現場を見たときは言葉がありませんでした 身の危険を感じ、急いで隣家に行き助けを求めました 盗られたものの被害もありましたが、その惨状が目に焼き付き、いまだに夢に見ることがあります

写真は、ある程度の片付けを行い、翌日会社のメンバーにお願いして、窓にベニア板を打ちつけて応急措置を施したものですが、片付け前は、窓ガラスが家の内外に散乱してひどいものでした 盗みを認めるわけではありませんが、もっとおとなしく盗んでくれても良かったのではと思うくらい、粉々にされました

実際の被害額は、高価系カメラやPCやタブロイドなど150万円ほどでした それより、そのカメラやPCに入っていた娘の結婚式の写真を返して欲しいと思いましたが、返してもらえるはずもなく、諦めざるを得ませんでした(この後は、Cloudにアップロードするように変えました)

警察の対応

隣家の消防士のリチャードが助けてくれました 警察を呼んで状況を確認してもらいましたが、警官が2人来て数分確認してカードをくれ、保険屋に聞かれたらこの番号を言ってくださいと言い残して帰ってしまいました 指紋の採取をするわけでもなく、物的証拠になりそうなものを探すでもなく、「ひと通りの手続き」を終えたら、終了でした

アメリカがイヤになる、日本に逃げ帰る

こういうことがあると、アメリカでの暮らしがイヤになったり、日本に逃げ帰りたくなる人も多いと思います 話を聞いた父などは、なんで指紋採取もしないんだ?!抗議したらどうね!と憤慨していましたが、警察の対応方法はおそらく被害の程度に応じたものになっており、空き巣くらいでは保険申告用の事件ナンバーを渡して終わりというマニュアルになっているように感じました

実際、私もそれを少し考えました しかし、自分が請け負っているミッションや多くの人がそれを支えてくれていることを考えると、あまり大ごとにしないほうが良いと判断しました 赴任して4年が経過していましたが、アメリカオペレーションの本当の改革はこれからだという思いがありましたから、逃げ帰るわけにはいかないと思いました

誤作動しがちであったアラームを切っていたのは自分の不注意であるし、もちろん加害者が悪いのですが、やりたい放題にされたのは自分にも責任があると考えました

自由の国、自己責任の国

アメリカは自由の国ですが、同時に、その自由は自己責任の上に成り立っていると身をもって体験しました 幸運なことに賊に鉢合わせせず身体に危害を与えられませんでしたので、物的被害だけで済みましたが、この事件は、とても貴重な経験になりました

ただ、もうちょっと手加減してくれても良かったのではと思いますが。。。

あとがき

ストレッチリムジン、スーパーマーケット、バーガーショップ、高速道路の事故、空き巣被害について書きました どの暮らしにも楽しいことがあり苦しいことがありますが、アメリカの暮らしはそのダイナミックレンジが大きいように思います 心が折れそうになるというのは、空き巣強盗事件が初めての経験であったと思います 

されど我が人生、事件から5年かけて同業の他社を買収したりアメリカ現法の生産品目の世界トップシェア化を果たしたり、奮闘の毎日でした そして、終わってみれば、充実した20年のアメリカ暮らしでした

20年という期間では、どこにいてもかなりの経験を積むと思いますが、アメリカで過ごした20年は、とてもスペシャルなものであり、自分の人生の中で、意味のある期間でした

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