五木寛之の親鸞を読みました

マイブーム

久しぶりの長編小説 青春編、激動編、完結編の3部作となる親鸞を読了しました それぞれが上下巻あるので、6冊の長編ですが、丁寧な人物像の描写と読みやすい文体により、とても楽しい読書となりました

心象描写がとても丁寧で、どのシーンもすごい臨場感でしたが、おそらく膨大な資料を確認しながらの執筆であったであろうことは容易に想像できます

親鸞が生きた鎌倉時代、彼の年齢順に物語が展開しますが、やはり、自分と同年齢の親鸞に親近感を感じました 時代も内容も密度も全く違う人生ですが、自分の半生を振り返りながら読みました

読書のきっかけ

当家は代々浄土真宗の門徒であると聞き、東京で本願寺派の寺を調べ、いくつかの候補から元麻布の寺の墓地に小さなお墓を建てました 九州の両親が亡くなり、そのお墓に分骨したお骨を納め、こちらでも毎月お参りしています

先祖が浄土真宗なので自分もそれに倣い、門徒であることを引き継いでいるのですが、実は、浄土真宗のことも宗祖である親鸞聖人のことも全く知らないことに気づきました 

とはいえ、お寺に通いお説教を聞くのは苦手ですし、学術書で浄土真宗を調べるのも違うように感じていました そんな折、何気なくネットでサーチした親鸞に五木寛之の小説がありました

口コミを読むと、どれも感動したとか爽やかな読後感とか書かれていて、この辺りから勉強を始めてみようかと手に取った次第です

親鸞

一向宗が浄土真宗であることから、その宗祖である親鸞も、元は市井のひとであろうと想像していました

想像は当たっていましたが、それ以上に僧侶の世界も様々な身分があり派閥があり、しがらみがあることを知りました その中で、自分の信じる道を極めることの困難さは、我々が想像できない部分であろうと思い至りました

全体に穏やかな人間像をで描かれています しかし穏やかであるだけで専修念仏を既存な宗派と並立させることはできません 真摯な対応と、ある意味頑固なひたむきさが多くの人の心を動かしたのだとわかりました

あとがき

親鸞の人生の終わり方に興味があり、楽しみに読み進めました そして、最期のときの描写も人間親鸞がビビッドに描かれていて、とても納得感を持てる終わり方でした

自分の年齢からバックキャストすると、あと20年後が最期のときになりますが、自分はどんな「そのとき」を迎えるのだろう?と考えながら読みました

読書はいいですね いろんな人生を楽しめますし、自分の人生を振り返ったり、これからのことを考えたり。。。 

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