父の一周忌を水前寺の寺で読経していただくために帰熊しましたが、前日、天草に足をのばして、美味しいものを食べてきました
泊まりは本渡港に近い新和荘海心さん ぬるめの湯と美味しい朝ごはんが最高でした!
港を散歩すると、かわいい恵比須さんが 記名を見ると釣り仲間が費用を出し合って作った碑のようです
平成橋を歩いて渡り奴寿司へ
目当ての奴寿司には旅館から歩いて平成橋を渡って行きました タイル張りの歩道がある素敵な橋です
お店に着くと予約のみの表示 シンプルな奴の暖簾がかかっています 引き戸を開けて声をかけると中に入れてもらえました 正面には、赤字に奴の文字 ちょっと憎い演出です
席は、大将に相対するカウンター席9席のみ 東京からの一人客、大阪からの3名客、地元のご夫婦と我々親子の3名の計9名で、18時から一斉スタート
オリジナルの酒肴前菜
大将はかなり年配の方ですが、料理はいきなり創作系でした
島原そうめんに自家製からすみ&トリュフ和え
島原のこしのある素麺に自家製のからすみとトリュフがまぶされて、極上の和風パスタを食べている気分になりました ここは、創作系のお寿司屋さんなのだといきなり理解しました
マグロのカマしゃぶ、刻みわさび
マグロのカマを少しだけ湯通ししてある絶品前菜 刻みわさびが辛くてパンチが効いています
クエのお造り、特製だれ
分厚いクエのお造りを特製の味噌だれでいただきました ここも刻みわさびが効いていて、ビールが進みます
南蛮柿の白和え
箸休めは、いちじくの白和え 豆腐がほのかに甘くて、いちじくとマッチします 天草の西の方ではいちじくを南蛮柿と呼ぶとのこと
続く男性的な椀と皿
丁寧な仕事の椀と皿が続きます
車海老のしんじょう
人生最高の海老しんじょうかもしれません 海老の甘さが凝縮されていて出汁の効いた汁と一緒に食べるととんでもなく美味しいものになっていました
松茸茶碗蒸し
卵の白味だけで作った茶碗蒸しはふわふわの食感 松茸の風味を損なわないように白身だけにしているとの説明でしたが、いい香りがしました
クエかま、唐芋、銀杏の唐揚げ
手を油でギトギトにしながら食べるクエの唐揚げ かぶりつくように手づかみで食べるとクエの旨みが口中に広がります 唐芋(さつまいも)も絶品でした
卵かけご飯にいくらの極小他人丼
前菜の最後は、卵かけご飯のいくら乗せをいただきました よく混ぜて食べてくださいと言われて混ぜると、いくらの塩味と卵のねっとりとした甘さが絡まり絶妙な味に 最後の数個はかっこむように食べましたw
寿司の始まりです
前菜だけで8皿
これからどんな寿司が出てくるかワクワク感が止まりませんでした
天草鯛の梅塩乗せ
ここも次郎さん(すきやばし次郎)と同じように、客が醤油を使わない寿司屋でした 梅干しから作った梅塩は天草の鯛の旨さをよく引き立てていました
アオリイカのウニ塩乗せ
イカが肉厚で奥歯でガリガリと噛み砕いて食べる感じが面白い食感でした ウニ塩のアクセントが淡白なイカに風味を乗せる絶品でした
ヒラメの岩塩乗せ
これも肉厚に切られたのヒラメに岩塩の粒が写真に写るレベルに盛られた一品 塩がガリガリとした食感を持ちますが決してしょっぱ過ぎない味の加減 絶妙です
昆布締め金目鯛の刻みわさび乗せ
こんな金目鯛は初めてでした 九州の金目鯛は、房総沖や駿河湾の金目鯛のように脂が乗っていないから昆布で締めて旨みを出しているとのこと 丁寧な仕事は旨みを引き出すのですね!
続く寿司、デザート
天草の魚は旨いなあと思いながら食べていると、すでにかなりの量を食べていました
しかし、自分より6−7歳は上かと思う大将が握る絶品寿司はまだまだ続きました
なかずみ(コハダの大きいやつ)白板昆布
なかずみというのは初めて聞きましたが、コハダが成長した魚のことを指すそうです 確かに身がしっかりしていて食べ応えある食感でした 奥さんは、お腹いっぱいで、ここでリタイアでした
サワラの大根おろし乗せ
日本は魚の呼び方が色々ありますねーなどと、地元のお客さんと大将の間で話されていました 確かに鯖も鯵もサワラも皆英語だとMackerelだしななどと考えながら聞いていましたw
青森三厩(みんまや)のマグロ
津軽海峡の大間のマグロでなく、下北半島の反対側の三厩のマグロですとのこと 自分は、たぶん、大間と三厩の味の違いがわかりませんが、そういう話題を聞きながら寿司を頬張るのは嫌いでありませんw
デザートのきな粉アイス
和三盆のパンナコッタか、コーヒーブラマンジェか、きな粉アイスかと聞かれ、息子はパンナコッタで奥さんはコーヒーブラマンジェ、自分はきな粉アイスを選びました
大将から奥さんに「寿司を食べない人にはデザートはないよ」と言われていましたが、これは別腹なんですと言い張ってしっかり食べてました ちょっと味見にもらいましたが、コーヒーブラマンジェが一番美味しかったかなw
あとがき
父の一周忌を前に訪れた天草本渡 奴さんの大将の寿司、熊本に生まれ育った自分には、懐かしい味の旅であり、奥さんや息子には、とてもSpecialな経験になったようです
奴寿司、一皿ひと皿が男性的でした 昆布じめの金目鯛を食べて旨いですねと言うと、ちょっと嬉しそうにありがとうと言われました 来てよかった!
翌日は、熊本水前寺の菩提寺に行き父の一周忌の読経をいただいたのち、妹家族とランチしました その後、先祖の墓参りに行き、両親や祖父祖母に我々が健やかに暮らしていることを報告しました
こういう機会に故郷に帰り、少し贅沢してガストロノミーツーリズムの真似事をするのも悪くないですね!
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