私はブログも雑記録だし読書も雑食系ですが、この本は結構面白かったです
タイトルに惹かれて買いました 66歳にもなって今さら運をつかまなくてもいいのではと思う部分もありますが、自分の生き方をReviewしてみるのは興味深いことだし、残りの人生、有意義に過ごせたらいいなと思ったりもします
本書は、内容をコンパクトにわかりやすく読めるように工夫されてますので、一気に読みました 自分が「なるほど!」と思ったキーワードについて、書いてみます
セレンディピティは単なる偶然ではなく、点と点をつなぐプロセス
1998年の南米の通貨危機時、ビジネス破綻を直前で回避した際の「思いがけない幸運な結果」を回想しました
米国現地法人から南米のキット生産ビジネスを進めていた当方は、アメリカと南米の港湾関連の動き、ブラジルのRetailerの販売情報と市場在庫情報、アジア等他地域の外為市場の動きに異常な温度を感じ、マナウス生産のテレビのキットビジネスの新規のキット受注を凍結する措置を取りました
特に家電Retailerの実売の動きに注目し再確認していたところ、突然ブラジルでの外為市場が封鎖され、全ての金の流れが凍結されました
多くの日系電機関連企業が数十億円レベルの損害を被りましたが、当方は、売掛金の回収はほぼ100%完了しており、また、主要部品の発注を止めていたため製造仕掛品もほとんどなく、2−3百万円の実損で済みました
セレンディピティとは「予想外の事態での積極的な判断がもたらした思いがけない幸運な結果」
南米の通貨危機によるビジネス破綻回避は、幸運を享受するというより不運を回避できたという少々違う内容ですが、運をつかむ前にやっておくべき点と点と繋ぐプロセスという意味では共通項があると思います
売掛金回収ができなかったり発注部品への支払いが膨れ上がれば、米国現法が倒産の危機に晒されるレベルの損害額でした 幸運にも間一髪で奇跡的に回避できたのは、当時は作業としてしか認識していませんでしたが、点と点を繋ぐプロセスが好判断をもたらしてくれたのだと思います
幸運は備えある者のみに訪れる
パスツールの言葉らしいですが、まさにその通りですね ただ、その備えをするタイミングとやり方がわからない だから人生が楽しいのだとも言えますが、だから悩ましいのだとも言えます
「運のいい人」と聞くと、一般的には、偶然の出来事や天性の運に恵まれた特別な存在であると思われがちであると思います しかし、本書は、「幸運」は偶然ではなく、科学的に理解し、意図的に引き寄せることができるものであると説きます。
幸運は能動的に捕まえたいし、受け取った幸運は、積極的に社会にお返ししたいですね!
不運な人は自らを自分より幸運な人と比べる傾向がある
自分が元気でないとき、こういう発想をする傾向があるかもしれません また、友人にこういう思考を持ちがちな人がいますが、確かに彼らは幸運を逃しているのかもしれません
負のスパイラルにいる間は、幸運を掴むことは難しいし、もし幸運が訪れたとしても気づけない状況にいるのだと思われます
逆に、幸運な人は、自らをより不運な人と比べる?確かに、より不運な結果に比べたらこの程度で済んで良かったというポジティブ思考は大事だと思います そして、幸運をさらにつなげようとする このプロセスが重要であると考えます
セレンディピティを求める旅には謙虚さが重要
点と点を繋げる作業は、相手へのリスペクトが前提になると思われます 自分は完全ではないから、その完全ではない部分を補ってもらうパートナーを探すという行為は、最初に謙虚さが必要でしょうし、丁寧なアプローチが必要であると思います
幸運は偶然起こることではなくて、点と点を結ぶプロセスで起こること それを受け取るには、謙虚に粘り強く対応するべきだという著者の説明は、その通りかなと思う部分があります
成功は、たいてい、山ほどの失敗を繰り返した後に訪れる
やっぱりそうなのだと思います しかし、サラリーマンは失敗できないことが多いし、実際、失敗しない人が出世したりします
でも、そういう人生はやはりつまらないし、失敗を繰り返して、誰かと一緒にまたはチームで、成功に至る方が楽しいと思います
日本の生産性の低さを揶揄されることがありますが、実際に、結論の出ない会議が多く、責任者が「決める」ことを行わないことから、多くのロスが生じている部分は否めないと思います
100%の成功が約束されている未来はありませんから、積極的に議論を進め、失敗を恐れないアクションを取るべきであると考えます
あとがき
特別な才能や資質が必要なわけではなく、日々の思考や行動を少し変えるだけで、運の良さは誰にでも訪れるという希望を感じさせてくれる本でした
作業として無意識に行っていた部分があるかもしれませんが、点と点を能動的に結び準備をするというプロセスこそが大事なのだと教えられ、はっとする思いがありました
ただ待つのではなく、幸運に至る過程を自分で能動的にデザインするのが楽しいことですね そして、結果としての運の良さがある 運の良さで社会に還元する喜びがこのプロセスに取り組むことをさらに鼓舞する
ビジネスやプライベート、そして人生をより豊かにするためのヒントをたくさんいただいたように思います 理屈を理解しながら元気になる本です!
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