昨年8月に始めた本ブログですが今回で250記事に到達しました 節目の回ですので、日頃思っていることをまとめてみます
齢67歳になり、今後のことが気になっています 体力は確実に落ちていますし、精神面も前ほどは強くないと感じます そういうなかで、今後の人生は何を生きがいにするか、自分なりに考えてみました
会社の中期計画の立案時にはバックキャスティング的なアプローチをします つまり、中期的な目標を設定し、そこから逆算していつまでに何をしてその目標に到達せねばならないかをプランします
しかし、個人は、特にシニア世代になると、ある時間軸の達成というより、毎日の暮らしが生きがいであり、それを穏やかに営むことが今後の人生の楽しみだという方が少なくないと思います
翻って、会社人間だった自分はどんな老後を生きがいとするのだろうと考えていると、週1くらいの頻度でマンションのエレベーターでご一緒する10歳くらい先輩の老紳士から、スーツを着ている私を見て「仕事はなんでもいいから続けた方がいいですよ」とのお言葉を受けます
65歳以上人口の比率 同世代での助け合い
厚労省のデータを見てみると、全人口に占める65歳以上の人口比率は、2025年で日本は30%近くあり、G7の他国より10%くらい高い比率を持っています
2040年では35%となり、同様にG7他国とは10%くらいの差が継続します シニア層比率が10%も高いということは、労働人口がそれだけ低いということであり、少ない労働人口で多くのシニア層をサポートせねばならないということになります
これは若年層のモチベーションを削ぎ、国力を低下させることになると懸念されます したがって、社会構造的に、日本はシニアどうしで支え合うスキームを持たないと、労働人口層の活力を奪ってしまうことになると思われます
元気なシニアが元気でないシニアを支える構造 それを好む人と好まない人がいると思いますが、まずは、健康に暮らし、元気であれば生活や仕事を通して税を納め、社会貢献するようにしたいと考えます
平均寿命、健康寿命
日本の平均寿命は世界トップクラスです 厚労省のデータでは、男性が81.7歳 女性が87.2歳 G7の中でトップです G7他国比で3-7歳長く生きています
一方、健康寿命を見てみると、男性が71.9歳 女性が74.8歳です これもG7の他国比で5-10歳長い寿命を持っています
とても優秀な日本ですが、寿命と健康寿命には10歳強の差があり、これが「老い」なのだと数値で理解できます 元気で過ごす時間は、あまり多く残っていないという現実があります
それでもアメリカ人男性の健康寿命が62.8歳、女性のそれが65.1歳であることを考えれば、同じシニアといっても、我々は、男女ともとても健康体を維持する状況にあり、他国のシニアからは羨ましがられる健康状態であると思われます
定年後再就職の終わり時期
大学教授をやっておられる高校部活の先輩と話していると、大学には70歳がけじめの歳であるとの不文律があるとのこと どの教授も、70歳を超えた3月末で講義や講師を終えられるとのことです
私企業への再就職には定年はないと思いますが、区切りとしては70歳がひとつの目安になるのかもしれません 実際、健康寿命の71.9歳や74.8歳にとても近い年齢になります
個人差はありますが、何かの生きがいに取り組むのであれば70歳を待たずに始めるのが良いでしょうし、日々の暮らしが生きがいであれば、仕事や穏やかな暮らしを継続するのが良いのだと思われます
個人的には、もっと旅してみたいと思いますから、70歳を機に仕事量を減らして、自分が自由になる時間を増やしたいと思います
老後の生きがいの調査結果
2023年に60歳以上の290人に調査をしたデータがあります 「今、あなたの「生きがい」は何ですか?どのような時にあなたは、「生きがい」を感じているでしょうか?」という設問に対する回答のランキング順です
1位 趣味の時間 2位 夫婦や子供、家族との時間 3位 特になし
4位 仕事をしている時 5位 孫との時間 6位 健康であること
7位 スポーツをしている時 8位 旅行 9位 穏やかな生活 10位 食事の時
正直に言うと少し驚きました とても受動的でありいわゆるPDCA的な目標達成の能動的なプロセスがありません それ以上に驚いたのは、地域での活動やボランティア活動のような社会性のある活動がBest10に入ってこないという現実。。。
少し残念なように感じますが、多分これが調査に協力した方々の本音の回答なのだと思います
人生の終盤に家族を大事にしながら暮らしを穏やかに楽しむ姿が見えます 生きがいが、他者からの承認欲求を満たすことや自己実現欲求の実現などではなく、自分の時間を大切に過ごしたり家族を大事にしたりという穏やかなものに変化していくのだと見えます
老後の生活費、Die with Zero
人生はあるべき論だけでは過ごせません 実際、衣食住が事足りる必要がありますし、楽しい余暇の時間を過ごしたいとすれば、やはり先立つものが必要です
昔、老後は年金収入だけでは暮らせず、約2,000万円の蓄えが必要であるとの提言がありました しかし統計によれば、シニアで2,000万円を持っている割合は30%弱と高くはない状況です
暮らしに必要な生活費が足りないのであれば、なんらかの形でこれを補わねばなりません 実際、食べていくためには、金が必要です または、暮らし自体を収入のレベルにフィットさせねばなりません
一方で、必要以上の金融資産を残して旅立つのも無駄です 自分が蓄えた資産は自分のために使って旅立つのが良いと思います まさにDie with Zero、自分の人生の集大成として、または自分の意思としてその資産の使い方を考えておくのが良いと思われます
私の場合は、贅沢に暮らすのは無理ですが、蓄えを取り崩しながら穏やかに暮らすことはできると思われるので、ゆっくり考えたいと思います
両親の死
自分の老後を考える上で、やはり参考になるのは、人生の先輩である両親のことです 両親の旅立ちを先年見送りましたが、やはり年と共に老いていくのが現実であったと記憶します 特に80歳を過ぎたら老いのスピードが早まったようにみえました
両親は九州で穏やかに暮らしていました ただ、母に先立たれた父は、「自分も早く呼ばれたい」と言うようになり、そんなこと言わないで長生きしてほしいと話しましたが、楽しみがなくなってきたと言ってました
そんな両親を見ていて思ったのは、誰しもがいつかは死ぬのだという当たり前の現実でした 多くの子どもが、死と両親を分けて考えがちですが、死は誰にも等しく訪れることを目の当たりにして、自分はどのようにそこに向かうのだろうと考えてしまいました
何もない状態から生を受け、100年近くを経て、何もない状態に戻るのだと言われればその通りだと思いますが、その中間の100年近くの終盤に差し掛かっているのだと思うと、やるせない気分になります
私の老後プラン
現在の収入と出費、所有する資産全体をよく見なければなりませんが、仕事の量は減らしていこうと思います まだまだ体力はあります 仕事をいきなりゼロにする必要はないでしょうから、徐々に減らすのが良いと考えます
受領する年金額と生活費のバランスもなんとなく見えてきました あとは、余暇にどんなことを過ごして、何を楽しみに過ごすかを考えたいと思います
おそらく体力的には75歳がターニングポイントになりそうですから、それまでに行きたいところに行き、経験しておきたいことをやってみようと思います 日本には行ったことのない県がまだ10ほど残っていますから、この数年でそこに行くのもいいかなと思います
家族でお世話になったアメリカ西海岸、東海岸に行き、友人に会ったり、車を借りて今のアメリカを楽しむのもオプションだと思います また、欧州にいる友人に会いに行くのも、海外で暮らした自分が楽しみに思うことのひとつです 妻と一緒にちょっと贅沢なホテルに泊まったりするのもいいかなと思います
ブラジルに暮らす娘家族に会いたいと思いますが、さすがにブラジルは遠いので、彼らと待ち合わせて、欧州やアメリカの街を歩くのもいいかなと思います これまでも、こちらのGW休暇時にミュンヘンやロンドンで待ち合わせて一緒に過ごしましたが、旅先で孫と過ごすのも楽しいです
穏やかな暮らしに加えて、そういう楽しみを持てたら本当に幸せなことだと思います
あとがき
67年の人生で、幼少期や学生時代を過ごした23年、首都圏で仕事をしているのが20年、海外に暮らしたのが24年と、なんとなく3等分できる長さがあります
これまでの人生を振り返りながら、これからの数年間を楽しもうと思います
やなせたかし先生が書かれたアンパンマンのマーチの歌詞に、「なんのために生まれて、なにをして生きるのか、答えられないなんて、そんなのはいやだ」という部分があります
人生を登っていくときの応援歌(マーチ)にはぴったりの歌詞だと思いますが、登った先でくつろいだり別の道を探したりするシニアは、その強めの掛け声からは解放されていいように思います
静かな死が訪れるときまで、自分なりの楽しい時間を過ごす いろんなストレスから解放されて、楽しい時間を過ごす そして人生の全てのチャプターを閉じて、無に帰っていく
そう考えると、これから先の数年間は、とても大事な時間なのだと思います

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