コンプライアンス

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中居正広さんの性加害に端を発するフジテレビの一連の問題、国分太一さんの件でTOKIOのグループ解散に至った問題 コンプライアンス遵守が履行されていないことが明るみに出ていますが、悲劇が繰り返されないことを祈るばかりです

しかし、コンプライアンス遵守は昔から優先事項であったかというと、かなり疑問があります 日本だけでなく世界的に見ても、必ずしも優先事項ではありませんでした

さらに、日本のエンターテイメント業界の閉鎖性やグローバル性の遅れから、前近代的なマネージメントがまかり通っていることがあると思いますが、これはベースに業界の後進性や保守性があるのであろうと推察します

また、能力開発をされていない個人への負荷を上げてしまい、変なカタチでストレス発散が起き心の中のもやもやが発露されてしまうという結果をもたらしている部分があるように思います

アメリカでの議論

アメリカ人からの質問

2011年の赴任当時、アメリカの現地法人でもコンプライアンス遵守は、テーマでした 諸会議でコンプライアンス遵守を強調したのですが、営業部長から、片方で販売見込達成重視と言っているがコンプライアンス遵守とどちらが優先されるのか?と聞かれたことがあります

実際に、評価も販売の対前年伸長等によってなされるので、現場はコンプライアンスはさほど重視していない実態があると言われました 社長として答えてくれと言われたので回答しました

私からの回答

「販売見込の達成が最優先だというのは会社経営としては至極当然であり、もっと言えば顧客の販売がマキシマイズされることをサポートするのが営業の仕事だ しかし、嘘をつかないというのはもっと大事 嘘をついて販売するのは厳に慎まないといけない」

「もう分かったのではないですか?販売を極大化させることと、嘘をつかないことはどちらが優先されるかは、勿論、嘘をつかないことです つまり、コンプライアンス遵守は、全てに優先されるのです」と答えました

コンプライアンス重視の旗振り

このやりとりは、全マネージャーが出席する会議でなされましたので、その後、会社全体が「コンプライアンス重視」に向かうことができました

高度経済成長期の日本的マネージメントの残滓

昔の価値観

高度経済成長期の日本でも、コンプライアンスは二の次でした 別業種に働く友人に聞いても、泥棒以外何でもやったと言いますし、他社を出し抜くこと、自社の利益を確保することが全てに優先された時代がありました

そんな昔のことではありません つい、この前まではそういう価値観でした

教育/能力開発

我々もその価値観を持つ先輩に育てられた世代 我々が、そういう中でコンプライアンス重視に価値観を変えることができたのは、やはり教育であったと思います 会社が能力開発を行うことに投資してくれた部分は大きいです

能力開発なしに責任負担が求められ破綻をきたす結果に

会社員にはそのような機会がありましたが、中居さんや国分さんやエンターテイメント業界にはそのようなケアはなかったのであろうと思います そういう方が、能力開発なしに重大な責任を担う役を果たさねばならなくなり、やはり破綻が起きてしまったのであろうと私見します

グローバル性との相関

コンプライアンス重視精神 ≒ 多様性受容 ≒ グローバル性

コンプライアンス遵守精神の低さ多様性受容力の低さと関連し、多様性受容力はグローバル性を持っていないと対応できない高難度なマネージメント力であると思います

個人に問題を帰するのはフェアでなく、また問題の本質ではないと思います 能力開発の教育が施されていなかったこと、その風土が欠落していたことが遠因/真因であり、その風土が業界の常識を作っていたとしたら、やはりそこを改めないと治らないと考えます

グローバル性の習得による業界風土の改革

エンターテイメント業界やマスコミ業界の閉鎖性やグローバル性の低さが指摘されて久しいですが、知のエリートを自負する業界であれば、グローバルスタンダードを身につけることをもっと真剣にやってほしいと思います

日本のマスコミは生贄を求める傾向があります 寄ってたかって特定の個人や団体を叩く しかし、そういう安全で稚拙な仕事を改め、自分たちが多様性を認める体質を持っているかを常に監視することが必要であると思います

今回の中居さんや国分さんの件、それにまつわる諸問題は、かなり根の深い問題であるように思いますし、これの根絶のためには、業界の風土を変えていくことが必要であるように思います

あとがき

言うは易し また、コンプライアンス遵守は1日にして成すことはできません しかし、やろうとしなければ永遠に到達できません

コツコツとしつこく続けること きちんとした教育を施すこと 意識調査等とセットで行い自社の過去比較を時系列で定量化させること等が必要であると思います

昔、ハリウッドでも問題になりました 「まだそんなことをやっているのか?!」と呆れる部分がありますが、マスコミやエンターテイメントは大衆の鏡でもあり、我々も彼らがその努力を行うことを厳しく&優しく見守ることが肝要であると思います

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